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新潟南高校SSHの取組を紹介します!

 本校は平成30年度より、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校として第Ⅳ期5年間の指定を受け、令和5年4月からは第Ⅳ期の経過措置(2年間)がスタートしました。
「未来イノベーションを牽引する、科学技術系グローバル人材の育成」
を目標とし、 探究的能力を身に付け、答えのない課題に主体的な姿勢で立ち向かえる骨太な江風健児を目指して、学校全体で課題研究に取り組んでいます。学校設定科目として江風SSⅠ~SSⅢ(理数コース),江風SSG(理数コースを除く2年生)がありますが、その中からいくつかの取組について紹介します。


◆江風SSⅠ(1年理数コース)

毎週木曜7限の時間に行っています。

◇データサイエンス

 令和5年度の1年生から新しくデータサイエンスに取り組んでいます。エクセルの「分析ツール」を活用して「統計量」,「相関係数」,「回帰分析」などの分析手法について学習します。江風探究ユニット (説明は後述)や 江風SSⅡにおける課題研究の内容に「統計学」の知識を組み合わせることで、得られたデータをより『具体的』かつ、『客観的』に分析することを目的としています。

物理基礎の授業で実施した実験結果(重力加速度)を分析ツールで回帰分析しています

◇ミニ課題研究

 物理・化学・生物の科目ごとに分かれて実験を行い、実験で得られたデータを分析しています。統計的探究活動における『PPDAC サイクル』(Problem:問題→Plan:計画→Data:データ→Analysis:分析→Conclusion:結論)のうち、【Data:データ→Analysis:分析】を実際に経験しつつ、『分析ツール』の復習を行います。分析ツールの使い方だけでなく、得られた生データを加工するための知識や技術も必要になります。

◆江風SSⅡ(2年理数コース)

毎週火曜日5,6限の時間に行っています。

◇SSH課題研究中間発表会(11月)

 2年生理数コースは数学・物理・化学・生物に分かれて課題研究を行います。4月から研究をスタートし、例年11月に中間発表会を行っています。

ステージでの全体発表
ポスター発表
運営指導委員の方から研究に関するアドバイスを受けています

中間発表会の後は、江風SSGグローバル研修班と一緒に、海外の生徒と交流を深めつつ、英語でのポスター作成、発表の練習を行います。ここ数年は3月に台湾の文華高級中学とオンラインでの研究発表会、さらに、2年生と一緒にSSH課題研究成果発表会を実施しています。その後は3年次の江風グローバルシンポジウムに向けて、実験やデータ分析を続けていきます。

◆江風SSⅢ(3年理数コース)

◇江風グローバルシンポジウム(SSⅢ課題研究発表会)(7月)

 3年理数コースの課題研究の発表会です。コロナ禍ではいくつかの教室に分かれてオンラインで開催していました。1年生理数コースの生徒にとっては、これが南高校における課題研究発表会への初めての参加になります。

 令和5年度は2部構成で行われました。第1部では、『課題研究を活かした大学受験』をメインテーマに、本校卒業生3名を招き、在校生4名と本校職員による、4年ぶりのパネルディスカッションが行われました。探究活動が「自分自身のやりたいこと」「本気で好きなこと」に向き合えているかを考える機会となり、「その延長にあるもの」が今現在の大学での生活であり研究である、という卒業生の言葉に、在校生の多くが感銘を受けていました。 第2部では、3年生の代表2班が課題研究発表を行った後、3 年生11 班と2年生11 班が順番にポスター発表をし、質疑応答を交わしました。

令和6年度は、5年ぶりに新潟ユニゾンプラザで開催することができました。今年度は市内・県内の教職員や市内中学校の生徒・保護者など、学校外からも広く参加をしていただきました。

◆江風SSG(理数コースを除く2年生)

 平成29年度から、理数コースだけでなく理系・文系の生徒も課題研究に取り組んでいます。現在は毎週水曜日の5限に実施しています。クラスを問わず、好きなテーマについて班を作って課題研究を行います。中間報告を踏まえ、3月に本校を会場に課題研究発表会が行われます。

大学生からオンラインで研究についてアドバイスをもらいました
部屋ごとの中間発表の様子

◇SSH課題研究成果発表会(3月)

 江風SSGの1年間の研究成果をポスターやスライドで発表します。理数コースの生徒も参加し、江風SSⅡの課題研究の内容を英語で発表します。

2学年全体の発表です。研究班の数は80を超えます。

◆江風SSⅡ& SSG(希望者)

◇江風グローバル研修(10月~3月)

南高校SSH第Ⅳ期における目標に「多文化社会の中で協働できる次世代型リーダーを養成」というものがあり、そこから課題研究を軸とした交流プログラムとして「江風グローバル研修」が始まりました。理数コース2年生全員と理数コースを除く2年生の希望者(25~30人)を対象として、研修を行っています。

江風グローバル研修でやることと育てたい力

ゴールとなる活動は、パートナー校である台中市立文華高級中学(台湾)と3月にオンラインで行う課題研究英語発表会です。それを成功させるために必要な知識やスキルを、生徒は約半年間かけて段階的に習得します。

令和5年度の流れ

令和5年度には、本校のSSGと文華高級中学のSDGsの選択授業がコラボレーションし、SDGsゴール12「つくる責任、つかう責任」ゴール14「海の豊かさを守ろう」を共通テーマとして両校の生徒が課題研究を行い、離れていても同じ課題に関心を持ち、それぞれの観点からアプローチしました。

また、令和5年6月には文華高級中学の生徒45人が本校を訪問し、対面での交流が実現するなど、交流活動はますます充実してきています。

文華高級中学の生徒45人と本校2学年全員で記念撮影
理系のワークショップ(協働学習)左2名:本校の生徒、右2名:文華の生徒

さらに、令和5年度にはJICA新潟デスク様と連携し、国際的な視野を広げられるように内容をアップデートしました。

◆江風探究ユニット(1学年 総合的な探究の時間)

 本校では平成 29 年度から2 学年の全生徒で課題研究を実施しています。その中で、課題研究をより活発に行うための諸能力を 1 年次に身に付けさせることが必要であると考えました。平成30年度から新たな試みとして『江風探究ユニット』と題し、「探究力」を身に付けさせる取組を 1 年次に実施することにしました。

『江風探究ユニット』は、ベネッセコーポレーション『教育改革を見すえた探究学習指導研究会』 (平成 30 年 12 月実施)において実践事例として紹介・資料掲載されました。

 総合的な探究の時間の中で「江風探究ユニット①~⑤」と称する探究活動を実施し、課題研究の手法を学習します。それらの活動を通して、探究力(課題発見力・仮説設定力・計画力・実証力・考察力・表現力)を向上させ、身近なところから課題を見出し、主体的・協働的に解決できる人材を育成することを目的としています。

 令和5年度は、新潟市政策企画部 政策調整課の方を招いて講演会を行ったのち、地域企業と連携しながら「新潟市改善計画」と題した探究活動に取り組みました。例年12月に校内で発表会を行っています。

ここまで長い記事を読んでいただき、ありがとうございました!
本校ではSSHや探究活動に関わる活動を毎月noteに投稿しています。ぜひご覧ください。